「私ってなんで合わせてばかりなんだろう」と悩む方も、逆に「なぜ私の気持ちをわかってくれないの」と感じる方も、お見合いや仮交際の場でよくお会いします。どちらも相手を大切に思うからこそ、気持ちがぶつかったり、行き違いが生まれたりするんですよね。
でも実は、違いがあること自体は問題ではありません。問題なのは「どう向き合うか」です。選択理論の言葉を借りれば、「交渉する」という姿勢こそが、ふたりの関係を深める鍵なんです。今日は私が仲人として見てきた成婚カップルの共通点のひとつ、「対話で擦り合わせる」というスキルについてお話ししますね。
「主張」と「交渉」は何が違うのか
選択理論心理学では、人はそれぞれ異なる「上質世界」と呼ばれる、心の中の理想のイメージを持っています。住みたい家の間取り、将来の働き方、休日の過ごし方など。同じ言葉を使っていても、そのイメージはひとりひとり微妙に違います。
「主張する」とは、自分の上質世界をそのまま相手に押しつけること。「私はこうしたい」「こうあるべき」という姿勢です。一方、「交渉する」とは、自分の上質世界を大切にしながら、相手の上質世界にも敬意を払い、ふたりが納得できる落としどころを一緒に探すことです。
主張と交渉は、パッと見ると似ているようで、根本的に違います。主張は「私が正しい、相手が変わるべき」という前提に立ちます。交渉は「お互いに違っていい、一緒に考えよう」という前提に立ちます。この姿勢の違いが、関係の雰囲気をがらりと変えるんですよ。
仲人が見てきた「交渉上手」なカップルの特徴
私がこれまでサポートしてきた中で、成婚されていく方はやはり「対話の仕方」が上手だなと感じます。たとえば、ある30代の男性のお話です。彼は週末は趣味の登山に使いたいと思っていました。一方でお相手の女性は、週末はふたりで過ごすことを大切にしていました。
以前の彼なら「登山は自分の楽しみだから」と主張していたそうです。でも仮交際中に、こんなふうに変わりました。「僕は月に2回は登山に行きたいんですが、そのうち1回は一緒に来てみませんか。もし合わなければ、その日は自由に過ごしてもらって、代わりに別の日にふたりで出かけませんか」と提案したのです。
これが「交渉する」姿勢です。自分の大切なことを相手に伝えながら、相手の気持ちにも配慮してひとつのアイデアを出す。相手もその姿勢に応えて、「じゃあ1回は試してみる、合わなかったら別の楽しみを探しましょう」と。ふたりは無事に成婚されました。
このやり取りを振り返ると、どちらも「我慢した」わけではないんですよ。自分の気持ちを正直に伝えながら、相手の気持ちにも向き合った。そのプロセスが信頼をつくっていったのだと思います。
「対話で擦り合わせる」3つのステップ
では実際に、どうやって対話で擦り合わせればいいのか。私が仲人として伝えている3つのステップをご紹介しますね。
ステップ1は「自分の気持ちを正直に伝える」こと。ここでのポイントは、相手を責める言い方をしないことです。「あなたがこうだから困る」ではなく、「私はこういうことが大切で、少し悩んでいます」という形で話します。自分の内側にある大切なものを、素直に言葉にするだけでいいんです。
ステップ2は「相手の話をじっくり聞く」こと。相手が話している間は、反論を考えるのをいったんやめて、「なぜそう思うのか」「大切にしていることは何か」を理解しようと耳を傾けます。わかった気になるのではなく、「つまり、こういうことですか」と確認しながら聞くのが効果的です。
ステップ3は「一緒に案を出す」こと。どちらかの意見を採用するのではなく、「こういうのはどうでしょう」「こんな方法もあるかな」と一緒に考える姿勢を持ちます。最初から完璧な答えを出そうとしなくてもいいんですよ。「今日はここまで話し合えた」という小さな進歩を大切にしましょう。
「交渉」が苦手な理由と、その乗り越え方
「交渉するって、なんだかビジネスみたいで身構えてしまう」という方もいるかもしれません。でも選択理論的に言えば、これは「外的コントロール」から「内的コントロール」へ意識を移す作業なんです。
外的コントロールとは「相手を変えようとすること」です。婚活の場でよく見かけるのは、無意識に相手を変えようとしてしまうパターンです。「なんで私の言っていることがわからないんだろう」と感じる時、人はつい相手に働きかけようとします。でも人は自分の行動しか変えられません。相手を変えることはできないのです。
交渉が苦手な方に多いのは、「自分が合わせるか、相手が合わせるか」という二択で考えてしまうことです。でも実は、ふたりで一緒に新しい答えを作るという第3の選択肢があります。そこに気づくだけで、対話がぐっと楽になりますよ。
最初はうまくできなくても大丈夫です。「さっきの言い方でよかったか少し心配になりました」と後から伝え直すこともできます。そういうひとつひとつの丁寧なやり取りが、信頼の積み重ねになっていくんです。
まとめ。違いは障害ではなく、深まるチャンス
今日お伝えしたかったのは、「意見が違う」ことはふたりの関係において障害ではなく、むしろ深まるチャンスだということです。違いを「どちらが正しいか」の問題にしてしまうと、関係はじわじわと壊れていきます。でも「ふたりで一緒に考えよう」という姿勢で向き合えば、違いはむしろ絆を育てる材料になります。
私が見てきた成婚されていく方は、「合わせる人」でも「押しつける人」でもなく、「対話できる人」です。完璧に合わなくていい。ただ、一緒に考えようとする姿勢があるかどうか、それがとても大切だと感じています。
「交渉するって難しそう」と思う方は、まずはお見合いや仮交際の中で、相手の話を最後まで聞くことだけ意識してみてくださいね。そこから少しずつ、対話の土台が育っていきますよ。
BlissBridalでは、選択理論をベースにした婚活サポートを行っています。「意見の違いをどう乗り越えればいいか」「対話が苦手で…」というお悩みも、仲人と一緒に整理していきましょう。お問い合わせフォーム、LINE相談、無料お試しマッチングからお気軽にご連絡ください。






